アンチバリアコミュニケーション

夜、携帯電話を見たら「着信あり」になってた。
見知らぬ番号だ。
「誰だろう…?」
「間違いかな? ワン切りかな? 登録し忘れている人かな? 女の子かな?」妄想は膨らむ。
でも、夜も更けていたので、翌日の朝まで待って電話してみた。

見知らぬ番号にかけてみる – ドキドキ
プップップップップ…プルルルルル プルルルルル
相手:「ふぁぃ」
ワシ:「あ、もしもし。昨日電話を頂いたようですが」
相手:「あ、はいはい」
ワシ:「で、あの~どんな用件でしょう?」
相手:「あ、もういいよ」
ワシ:「へ?」
電話の向こうでは、けたたましく犬が吠えている。

ワシ:「あの~」
相手:「いやね、イシザカさんちに行く方法が分からなくて」
ワシ:「は?」
相手:「いや、●○駅からどっちに行けばいいか分からなくて。でも分かったからいいです。」
ワシ:「へ? どなたです?」
相手:「ん?」
ここで、限られた情報から個人特定処理に脳リソースフル回転。
犬、イシザカさん、声…
ワシ:「あ、iidaさん?」
相手:「うん、そうだけど」
ワシ:「なんだ~、俺、この番号知らないですよ?」
iidaさん:「あ、そうだっけ」

相手はこっちを知っていて、こっちは相手を知らないコミュニケーションは、携帯電話が誕生してから発生するようになったんじゃないだろうか。固定電話は、発信側も着信側も相手が分からないので「モシモシ?」で相手を特定するけど、携帯だとほとんどのケースで着信時で相手が誰だか分かるので、「おう、どうした?」から会話が始まる。

今回のように片方だけが相手を知っていると、こんなコミュニケーションになる訳で。同時に、携帯電話の音声品質では、実は相手を特定するまでの情報を保持していないのかもしれない。相手を特定したうえでの相手に関する知識が、声の認知を補助しているのだろう。

くるくる回って目を回して、相手のところにまっすぐ行くように試みる。
そんな会話で、新鮮でした。
12年つきあっててはじめてだ。

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